掲題の通り、AWS Certified Solutions Architect - Associate (SAA-C02) に合格しました。ピアソンVueでの自宅受験が可能になっていたので、自宅で受験しました。
今記事では、これから受験しようかなと思っている人向けに、自分がどんな勉強をしてどうだったのかと、自宅受験がどうだったのかを書きます。
勉強を始める前の状況
AWSは業務で利用していて、IAM、EC2、RDS、S3、Lambda...などといったメインどころのサービスがどんな感じかというのはわかっている状態でした。ただ、管理者ではなく開発者という立場であり、また新規でアーキテクチャ設計をするような場面は少なかったので、知らないサービスもたくさんあるし、主なサービスについても詳細までわかっているというのからは程遠かったです。GCPやAzureといったAWS以外のパブリッククラウドについてはマトモに触ったことはありませんでした。
AWSの各種サービスを理解する前提となる一般的な知識については、普通にソフトウェア開発を仕事で数年やってきて得てきたものが役立ちましたねという程度で、(IT未経験だったり、Web系未経験だったりの人よりは流石に有利でしょうけど)Webの会社で仕事をしている人たちの中で自分が特別何か有利な立場だったというのは(AWSを業務で使っている以外だと)なかった気がします。
受験までにやったこと
これから受験する人の参考に、受験までにやったことを書いておきます。
その前に、以下の勉強をして何点取れたのか
得点の範囲は100~1000点で、合格ラインが720点のところ、873点でした。
オーバーキルはオーバーキルですが、完璧ではないという感じですね。本番65問中で「違うかも」と思ったのが19問、「これわかんねえ」と思ったのが10問弱あったでしょうか。とはいえ、完全に知識不足でわからないという感じだったのは5問なかったくらいで、あとは「問題文・選択肢がもっと丁寧に書いてあればわかるのに〜」という感じだったので、もっと勉強すれば安心して合格できたかというと微妙です。ちなみに、問題文・選択肢を日本語で一読してよくわからず、英語の方で確認したことで「ああ、そういうことね」と回答を選ぶことができた、という問題も数問ありました。
どういうふうに勉強をしていったか
受験を決めた翌日に公式の模擬試験(無料)を解き、まずはゴールとの距離を測ろうとしました。模擬試験は本番よりも難度が低いという話だったのですが、ここで45%しか取れなかったため、「こりゃあかんわ」と感じ、真面目に勉強することを決意しました。
基本は、Udemyの講義をまず(倍速で)1周してベースの知識を抑えて、あとはひたすら問題を解いていきました。公式ドキュメントやホワイトペーパーなどは問題の解説を読んでいてもう少し情報が欲しかったときにのみ参照する程度で、またハンズオンも特にやりませんでした(Udemyの講義にはハンズオンパートがあり、それを見て満足していた)。
受験を決めてから本番までの約1ヶ月半のうち、最初の10日ほどで講義を1周、その後25日ほどかけて問題集(全12回分)を解き、残りの期間で問題集の見直し(時間の都合で全部はできず、半分のみ)をしました。
懸念していたのは、解いている問題集の傾向が本番の傾向とは乖離していて本番で歯が立たないという展開だったので、問題集を2種類(どちらもUdemy)買ってリスクを抑えることにしました。情報処理技術者試験などのように本番の過去問が相当量手に入る試験なら方針は違っただろうなと思います。
途中から始めてよかったなと思うのは、Miroにマインドマップ形式でとにかく情報を書き込んでいったことです。動画講義を見るだけ&選択式の問題を解くだけだと、知識を整理する機会がないのですが、Miroに書いていくことで整理ができました。また、出来上がったMiroは直前に見直す際にも非常に役立ちました。
使った教材
ちょうど受験を決めたタイミングでUdemyがセール中だったので、勢いで講義のものを1本、問題集を2種類(各6回分で、合計12回分)購入しました。それ以外には、書籍を1冊購入しましたが、これはざっと1周読んだ程度でした。それぞれの教材について個別にコメントします。
講義:「【世界で40万人が受講】AWS 認定ソリューションアーキテクト アソシエイト SAA-C02 対応 2022 最新版」
メインにした教材。Udemyだと他に日本人の講師オリジナルのものがあり、そちらの方が人気っぽかったのですが、サンプル動画の印象がこちらの方がよかったのでこちらを選択しました。
全部で25.5時間で、視聴しはじめたときはまだ20時間分くらいまでしか公開されていなかったのですが、受験当日までに24.5/25.5時間まで公開されていたので、困ることはありませんでした(ちなみに、3月末に全部公開される予定とのことです)。
オリジナルは英語なのですが、こちらはその日本語版ということで、スライドも講義もハンズオンも全て日本語になっています。講義パートとハンズオンパートが交互に繰り返されながら進んでいく形で、説明もわかりやすく、非常に良い内容だったと思います。
使い方としては、前述のように最初に1周してしまって特に2周目というのは取り組まなかったのですが、試験当日は試験が午後だったので、理解・記憶が曖昧な部分を見直して午前を過ごしました。
問題集A:「【世界で3万人が受講】演習テスト: AWS 認定 ソリューションアーキテクトアソシエイト」
前記の講義と同じシリーズの問題集。日本語化を担当している方は講義の方とは違うのですが、オリジナルの方は同じ講師の監修ということで講義内容と問題の内容にリンクがあるように感じました。
解いた日 | 問題番号 | 正答率 |
---|---|---|
2/13 | 1 | 61% |
2/15 | 2 | 67% |
2/20 | 3 | 66% |
3/5 | 4 | 72% |
3/6 | 5 | 83% |
3/12 | 6 | 73% |
問題集B:「【2022年版】AWS 認定ソリューションアーキテクト アソシエイト模擬試験問題集(6回分390問)」
日本では一番人気があるようだった講義コースのシリーズの問題集。前述のように問題集が1種類では不安だったので購入しました。高難度とうたっており、特に後半は難しい問題で構成されていて、以下のように点数は伸びませんでした。講師の人も「この問題集で合格点とれなくても受かっている人はいる」と書かれていたので、こんなもんなのだと思われます。
解いた日 | 問題番号 | 正答率 |
---|---|---|
2/13 | 1 | 75% |
2/14 | 2 | 70% |
2/18 | 3 | 78% |
2/23 | 4 | 67% |
3/5 | 5 | 67% |
3/6 | 6 | 64% |
書籍:「AWS認定資格試験テキスト AWS認定ソリューションアーキテクト - アソシエイト 改訂第2版」
受験が終わった後も参照できるように1冊ぐらいは持っておいてもよいだろうということで購入しました。1周はざっと読んで、最後の問題集も解きましたが、書籍だけで合格できるという類のものではない(この本にもそう書いてある)ですし、あくまで補う意味でのものでした。
Udemy の講義では言及されておらず、この本では言及されている項目というのもいくつかあったので、無意味ではありませんでしたが、なくてもよかったかなとは思います。
自宅受験どう?
自宅受験の手順・注意点については、既にたくさんレポート記事もあるので、自分も参考にさせてもらい、大きなトラブルなく予約〜受験することができました。以下に参考にした記事をいくつか貼ります。
事前に記事などを確認しておいたおかげで助かった点を挙げておくと、以下があります。
- 書籍が手に届く範囲にあるのはNGだと早めにわかったこと。自室(本まみれ)での受験を早々に諦め、他の家族の使っている部屋を当日は使えるように前もって準備できた。
- (ガイドラインでも避けろと言われているのですが)会社貸与PCは使ってはいけないということ。当初は「いやいや会社PCでも大丈夫でしょ〜」と甘く考えていたが、本当にトラブルが発生することを自分の少し前に受験しようとした知人も実証してくれていたので、ちゃんと私物PCで受験した。
自宅受験は非常に便利なのですが、自分は長時間じっとしていられず、体を動かしたくなってしまうので、余計な動きでカンニングの疑いを持たれないかという不安もあってやりづらい部分がありました(笑)
受験を終えての感想
というわけで、AWS Certified Solutions Architect - Associate (SAA-C02) を無事取得できました。受験しようと思ったのは、新しいシステムの構築や既にAWSで動いているシステムの改善のためにどのようにAWSのサービスを使っていけばいいのかを知っておきたかったからで、その目的は一定程度果たすことができたのではないかと思います(もちろん、これからどれだけ活かせるかが大事なのですが)。
とはいえ、試験勉強が終始楽しかったかというとそれは違います。最初に講義を視聴していたときは、新しい知識がどんどん得られている感覚があり非常に楽しかったのですが、問題を解き始めてからは「こんなん覚えなくても公式ドキュメント見れば書いてあるやん」などとブツブツ言いながら勉強していました(笑) 途中からは「落ちても絶対再受験しないわ」と決意していました。
認定資格には3年の有効期限がありますし、他のアソシエイト資格や、プロフェッショナル資格、専門知識資格などまだたくさんあり、それぞれに勉強するとそれなりに得るものはありそうだなという思いはあるものの、正直もう受験はいいかなぁというのが今の思いです。試験対策向けの教材には実務にも役立つものもあるというのがわかったので、そういう付き合い方をしていければなと思っています。