こまぶろ

技術のこととか仕事のこととか。

ポッドキャスト出演の収穫: #成し遂げたいam ep.7 に出演した

先日、ポッドキャスト「#成し遂げたいam」の収録にゲストとして参加してきた。そして、収録した前・後編のうち、前編がすでに公開されている。

anchor.fm

内容については、上のツイートのようなことを話している。この記事では、

を書く。リンク集が話の内容に沿ったものであるのに対して、それ以下の文章はメタ的なものになっている。ぜひ、本編と併せて読んでいただき、できればフィードバックをお寄せいただきたい。

補足リンク集

本編のShow Notesには載せられなかったリンクを掲載する。

ブログを書くことになったきっかけ

このブログの最初の記事。

ky-yk-d.hatenablog.com

write-blog-every-week

Slackグループを立ち上げたkojirock(@kojirock5260)さんの記事。

kojirooooocks.hatenablog.com

昨年末に立ち上げられ、無事完走したAdvent Calendar。

adventar.org

カカカカックさん関連

ブログ書かなきゃと思わされたカカカカックさんの一枚のスライド。ここから始まった。

「ブログ欲」の話がされているポッドキャスト(fukabori.fm)。エラーでつまずいたときにブログを書くことの意義についてもこちらのエピソードで語られている。

fukabori.fm

『自省録』関連

『自省録』(岩波文庫)。

自省録 (岩波文庫)

自省録 (岩波文庫)

『自省録』を引用しているブログ記事。

ky-yk-d.hatenablog.com

アジャイルに対する欲望

アジャイルに強い思いを持ちすぎていた頃の記事。良くも悪くも我ながらエモい。

ky-yk-d.hatenablog.com

宣伝:DevLOVE

3月に開催する2つのイベント。

devlove.doorkeeper.jp

devlove.doorkeeper.jp

なぜポッドキャストに出ることになったのか

なぜポッドキャストに出ることになったか。きっかけは、今回出演させていただいた「#成し遂げたいam」の過去の回を聴いて思ったことを書いた以下のツイートだ。当然、こういうことをツイートすれば、パーソナリティの一人であり、他にも多くのポッドキャストを配信されている「ポッドキャスト生やすおじさんお兄さん」ことKANE(@higuyume)さんから声が掛かることは予想できた。果たして、出演の依頼をいただくことになり、今に至る。

事前に「自分を知ってもらうメモ」を書いた

僕は、技術やその他の何らかの領域において、特段人に話すべき知見を持ち合わせているわけではない。このブログにしても、自分の有している知識を誰かに伝えるというよりは、書こうとすることによって考えるということに重きを置いている。したがって、ポッドキャストに出るといっても、たとえば和田卓人(@t_wada)さんのように、確固たる実績に基づいて知見を語るというわけにはいかないし、TDDやペアプロといった「持ちネタ」があるわけでもない。パーソナリティのKANEさんとなべくら(@nabe__kurage)さんにしても、それほどお互いをよく知っている間柄でもないから*1、僕が何を喋るのか、喋ることができるのか、というのは未知数だったはずだ。

そこで、事前に頼まれてもいないのに僕について知ってもらうためのメモを作成して、お二人に目を通していただくことにした*2。そのメモには「話せないけどお二人に参考にしてほしいこと」も載せていたので、公開することはしないけれども、これを作成したのは有意義だった。

メモには主に、下記の事柄を書いた。

  • 自分の来歴
  • 最近考えていること、悩んでいること
  • ポッドキャストで話せそうな話題

1点目の、自分の来歴については、主に就職をしてから、どの時期にどういう人・物事との出会いがあって、自分がどう考え、行動してきたのか、を書いた。書くにあたっては、ConnpassやDoorkeeperのイベント参加履歴、読書履歴、Twitterやブログの過去ログ、カレンダーの過去の予定、毎日つけている日記など、様々な情報ソースに目を通した。その過程で、忘れかけていた初心や、消化不良のままになっている書籍などを思い出すことができた。また、2年弱という期間をふりかえることによって、自分の思考や行動を貫いているものや、逆に一貫していないもの、それと過去の自分からの差分などが見えてきた。

2点目の、最近考えていること、悩んでいることについては、普段からノートやTwitterに書き出しているから、新しいものが生まれたわけではないけれども、人に伝えることを意図してまとめてみると、いくつかの主題が見えてきた。色々なことを考えているようで、実は少ない数の中心的なテーマに発しているということがわかったので、掘り下げるべき方向性を考えるのに役立った。

3点目の、ポッドキャストで話せそうな話題を書いてみたところ、冒頭の言葉を覆すようではあるが、「意外と人に話せることがあるんじゃないか」という感想を持った。話せそうな事柄は、必ずしも自分のオリジナルの内容ではなく、書籍やインターネットの記事、Twitterポッドキャストなどの様々な媒体から入手した他人の知識や意見が多くを占めているのだけれども、それでも自分なりの情報の集め方、消化の仕方をしたものを表現するということは意味のないことではないと思うようになった。

以上のいずれも、普段は自分のその時々の関心に導かれて断片的に想起・表現している事柄を、まとめて人に対して表現しようとすることによって得られた効果だ。特に、今回のメモはパーソナリティのお二人に対してのみ見せるためのものであり、ブログなどでは公開することを躊躇う事柄も排除していないのが有効だった。これが、不特定多数に公開する媒体や、あるいは人事・採用上の評価を受ける可能性のある媒体であったとすれば、また違った結果になっただろう。

自分のポッドキャストでの喋りを聴く

公開前に、事前確認ということで、全編を通しで聴き直させてもらった。プレゼンテーションの練習をするときに、自分の喋りを録音して聴いてみたことはあった。しかし、ポッドキャストのように、事前のスクリプトなしの、人との対話を録音したものを聴くというのは初めてだった。

まず、一番懸念していたスピードについては、速すぎるということがなくて安心した。僕は普段、話すスピードが速いという自覚があるので、今回はかなり意識をしてスピードを抑えていた。意識しても速くなってしまうものなので、うまくいったのはよかった*3

話の内容についても、思っていたよりはしっかり喋ることができていたと思う。欲望についての考えは、抽象的にすぎるところがあり、リスナーの方を置いてけぼりにしているのではないかという懸念もあるが、話として聴きづらいということはそこまでないのではないかと自分では評価している。

一方で、気づくことがあった。それは、以下に記すようにネガティブな形で現れているのだが、ポッドキャストという媒体で自分の語りを聴くことによって見えてきたものであり、大きな収穫でもある。特に気になった以下の2点について言及しておきたい。

  • パーソナリティの質問に答えていない/応答していない
  • 話している中で主張が一貫していない

1点目は、ポッドキャストという媒体ゆえの難しさと、自分自身の元来持っている悪い癖とが現れたものだと思う。今回、話せることがあるかが不安だったため、上に書いたように事前にかなり話す内容を考えておいた。これは、良い面もあったと思うけれど、「時間内に話さなきゃ」「放送事故っぽくなったらいやだ」と、あらかじめ考えてきたことを喋る方向に傾いてしまったと思う。

特に、なべくらさんからは自分の意見に対して反対意見、少なくとも違和感を表明されていたのに、正面から対話をするという方向にいけなかったのは、とても勿体なかったと思う。これは、「あらかじめ持っている意見に疑問を呈されるとその場では防衛的になってしまう」という自分の弱いところが出た結果でもあり、反省が大きい。

2点目は、逆に話していることに一貫性がなくなっていたという点だ。具体的には本編を聴いて探していただければと思うが、語りの中で、矛盾した2つの主張をしている場面や、同じ言葉を別の意味で使うことで話をすり替える場面があったように自分では感じている。これは、「その場しのぎ」で答えてしまったがゆえだと思われ、自分の普段の思考の盲点があぶり出されるものであったように思う。

ブログや発表原稿の場合には、ある程度筋を作ってから書くので、ある部分と別の部分とで矛盾した内容を書き、しかもそれに自ら気づくようなことはあまりない。ポッドキャストは、自分の思考の流れに他者の意見や問いかけが挿し込まれるので、上に書いたようなその場しのぎの発言が出やすい状態になる。今回は聴き直したから気づくことができたが、普段の会話でも恐らくその種の発言をしているのだろう。これに気づくことができた(あるいは、向き合わざるを得なくなった)のはポッドキャスト出演の貴重な収穫だと思う。

終わりに

収録当日はとても楽しく、終わってからの反省の多いポッドキャスト出演だった。当初の「ポッドキャストに出演しても喋ることがないんじゃないか、リスナーのためになるのだろうか」というのは烏滸がましい悩みであり、むしろ自分にとって大きな気づきのある体験になった。このような機会を設けてくださったKANEさんとなべくらさんに感謝したい。反省を今後に生かすこととともに、本編でも言及があった「欲望との折り合いのつけ方」の記事を書くこととで報いたい。

なお、後半では、何度かTwitterでは言及している「言葉」についての思いを話させてもらっている。2本どり2本目ということもあり、緊張もほぐれてきて、個人的にはかなり手応えを感じている。まだ編集作業中で、僕の方にも音源が回ってきていないので、聴き直したら大いに反省することになるかもしれないが、公開されたらぜひ聴いてみていただきたいと思う。

*1:なべくらさんに至っては収録日が初対面だった。

*2:これは最終的に、なべくらさんが用意してくださった収録用のメモに統合された。

*3:ポッドキャストの中で言及したカカカカックさんからも「1.2倍速で聞くぐらいがちょうど良かった」というコメントをいただいた。